犬と猫のノミ・マダニ対策

※このページは獣医師が監修しています

【獣医師コラム】犬と猫のノミ・マダニ対策|外部寄生虫の特徴と正しい予防法

ノミやマダニは私たちの身近にひそむ外部寄生虫です
正しく知ってしっかり予防していきましょう!

犬や猫へのノミ・マダニの被害は年々増加しており、適切な予防と駆除が大切です。
このページでは、ノミ・マダニ・ヒゼンダニ・ミミヒゼンダニの特徴と、ペットを守るための対策を解説します。

『ノミ』は昆虫の一種です

近年の被害のほとんどは『ネコノミ』によるものですが、猫に限らず犬や人も吸血します。

予防対策は2本立てで!

  1. ペットの体につく虫への対策
    • ノミ駆除薬やスポット剤などの駆除剤を使いましょう。
  2. 家の中や外にひそむ虫への対策
    • <掃除機>
      部屋の四隅・ベッドの下・観葉植物の鉢周辺・カーテンと窓の隙間などを念入りに掃除しましょう。
    • <薬剤>
      市販のくん煙剤や、隙間にスプレーするタイプの殺虫剤を活用しましょう。

ノミは『瓜実条虫』を媒介します

『爪実条虫(うりざねじょうちゅう)』とは人獣共通寄生虫です。

『マダニ』はクモの仲間です

『マダニ』は非常に特殊なダニで、3~8mmの体が吸血後に3~4cmになることもあります。(通常は1cm前後)

マダニが媒介する病気

マダニは犬・猫だけでなく人にも感染する病気を媒介します。

  • 犬のバベシア症(バベシアという原虫)
  • 赤血球膜を変性・破壊する
  • 溶血性貧血
  • 黄疸
  • 血小板減少
  • 発熱
  • 脾腫
  • 食欲不振
  • 猫のヘモプラズマ症(マイコプラズマの一種)
  • 症状は「犬のバベシア症」と同様
  • ライム病(ボレリアという細菌)
  • 筋肉痛
  • 関節痛
  • 頭痛
  • 発熱
  • 全身倦怠感
    ※人獣共通感染症

人では……

  • 日本紅斑熱(リケッチアという細菌)
  • かゆみのない発疹・発熱
  • Q熱(コクシエラという細菌)
  • インフルエンザのような発熱・頭痛・筋肉痛・全身倦怠感
  • ダニ媒介性脳炎(フラビウイルス属のウイルス)
  • 神経症状

『ヒゼンダニ』が疥癬の原因です

『ヒゼンダニ』は表皮で交尾し、メスが皮膚に穴をあけて表皮にもぐりこみます。
1日2〜3mmずつ穴を掘り進みながら、卵を産みます。

オスも短いですが穴を作ります。
交尾のとき以外は皮内にいるため、とにかく強いかゆみが起こります。

ヒゼンダニによる疥癬(かいせん)の症状

犬や猫がヒゼンダニに感染すると、強いかゆみや皮膚症状が現れます。

犬の場合

原因

  • イヌセンコウヒゼンダニ

発生しやすい場所

  • 目の周囲
  • 顔面
  • 四肢の先
  • 腹側
  • 下腹部

感染ルート

  • ヒゼンダニとの接触

症状

  • 赤い丘疹
  • 強いかゆみ
    ※悪化すると、かさぶた・膿皮症・脱毛などがみられます

猫の場合

原因

  • ネコショウセンコウヒゼンダニ

発生しやすい場所

  • 耳介
  • 四肢の先

感染ルート

  • ヒゼンダニとの接触

症状

  • 粟粒状(直径1〜2mm程度の細かい粒々)の発疹
  • 丘疹
    ※脱毛・かさぶた・鱗屑(うろこ状に皮膚がはがれる)・苔癬化(皮膚が厚く硬くなる)がみられます

『ミミヒゼンダニ』が耳ダニ症の原因です

耳ダニ症の症状と特徴

『ミミヒゼンダニ』は皮膚表面で上皮片を食べ、生涯を耳の中で過ごします。
耳の中に乾燥性あるいは粘性の茶褐色〜黒褐色の耳垢がみられます。
かゆみがひどいため、頭を振る・耳を引っ掻く・床にこすりつけるなどの行動がみられるようになります。

気になる症状があれば、早めにかかりつけの動物病院を受診しましょう。

ノミやマダニは絶対に手でつぶさないでください!
病気がうつる可能性があることを覚えておきましょう

監修当社専属獣医師

家族の一員であるペットが健康であることは、ペット自身だけでなく飼い主にとってもとても幸せなことですね。
困ったときにお世話になる病院の先生は、とても頼りになる存在です。

でも覚えておいてください。ペットのことを誰よりも理解しているのは飼い主自身です。
ふだんから、食事を与え、お世話をし、笑顔を交わす……。

だからこそ、しっかりとペットのことを見守ってあげてください。
「何をしたらいいの?」「何を見てればいい?」……そんな問いに、ほんの少しだけ力を貸すことができればいいと思います。